「DXを本気で考えているところなんて、ほとんどないと思う」。業界人の本音を聞いた。
ネットでの勝負は捨てたほうがいい
――どのようにツアー商品を作っているのでしょうか。
社員はツアーを作る職人の集まりだ。モンゴル、チベット、ブータンなど地域の担当がいて、それぞれツアーを作っている。東京は16人、大阪は3人で電話やメール、Webで商品を販売している。これまでも会社としてどういう商品を作るのかと、よく議論してきた。危険度が高いものは許可がいるが、それ以外は任せている。
――業界はGo To トラベルの不正受給問題などがあり、コンプライアンス強化が求められています。業務効率化も課題ですが、中小では対応が難しいと聞きます。
コンプライアンスだけやればいい、ということはないので、小さな会社は兼務になる。社長が担当することや、番頭さんのように経理や総務などの役割の方がいるケースが多いのではないか。中小は組織になっておらず、商店のイメージだ。店主がいて、その指示で皆が動く形だろう。
うちも以前は組織的なやり方をしていた。大手の真似をして部や課を作って、組織を作ろうと一生懸命やったが、会議は多いし残業も増える。なんだこれはと(笑)。
――中小旅行会社のDX(デジタル化)は難しいのでしょうか。
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