ネット旅行会社のGoTo不正に深まる不信 露呈した悪質すぎる取引

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ネット旅行会社で発生。いくつもの問題点に、HIS事件との共通項も。

事業の再開に向けて課題が山積している(記者撮影)

旅行業界を揺るがす「Go Toトラベル不正問題」。その闇の深さが浮き彫りになっている。

宿泊の実態がない不正受給が浮上した旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)子会社に続き、2月にネット専業の旅行会社・旅工房でも不適切な申請が判明。同社は第三者委員会で調査を進め、3月2日に報告書を公表した。

調査委員会は焦点の旅行商品について、不泊が多かった点などから給付金の対象として不適切とされる可能性があると結論づけた。また、旅工房については積極的に不適切な催行に関与したわけではなく、Go Toトラベルの仕組みから不当な利益を得ようとする取引先に利用された可能性を指摘した。

事の発端は2020年10月、ホテル運営会社JHATの社長で旅工房の社外取締役(21年12月に退任)だった平林朗氏が、IT導入補助金の活用支援などを行うB社の社長を旅工房に紹介したことだ。平林氏は16年までHISの社長を務め、HIS子会社にGo To トラベルを利用した不正な取引を持ちかけたとされる人物でもある。

B社が旅工房に提案したのは、eラーニングでSNSの活用法などを学ぶ求職者向けの宿泊付き研修プラン。旅行代金は1人1泊4万円で、20年11月下旬から21年1月末までの研修だ。商品はWebシステム開発などのコンサルを行うA社が購入し、その窓口をB社が担当した。

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