【産業天気図・医薬品】市場は成熟化、抜本的な業界再編がなければジリ貧

医薬品業界の天気は総じて『曇り』といえる。
 国内の医療医薬品市場の4月から10月まで7カ月間の伸び率は、わずか0.6%に止まった。政府の医療費抑制政策を受けて国内市場は成熟化しており、医薬品メーカーが成長するには海外で通用する薬の開発が不可欠となる。
 しかし、近年は世界的な開発競争の激化で大型新薬1品目の開発コストは500億円~800億円と高騰。国内準大手以下の製薬メーカーはそこまで資金の余裕がなく、苦境に立たされている。11月25日には、大日本製薬と住友製薬が2005年10月の合併で合意したと発表。しかし、合併後の新会社は売上高で約2500億円程度、国内6番手に止まり、まだ世界で互していくのに十分な規模とはいえない。
 一方で、2005年4月に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併して誕生する新会社・アステラス製薬は、国内で武田薬品工業に次ぐ2位に浮上。山之内からは1000億円以上の売り上げを目指す期待の頻尿治療薬ベシケアが今秋欧州で発売されたことに加え、藤沢の主力製品である免疫抑制剤プログラフも好調に推移している。07年度売上高1兆円、営業利益2500億円の計画は超過する可能性が高い。
 ただ、アステラスが目指している世界のトップ10入りには、現時点の約1.7倍の規模が必要となる。将来的には新たなM&Aも視野に入れ、さらなる規模の拡大を図る両社の積極姿勢に期待したい。
 国内首位の武田薬品工業は、潰瘍治療剤タケプロンの伸長などで順調に推移している。三共は高脂血症治療薬メバロチンの特許切れで業績は一時的な端境期に入っているが、大型化が予想される抗血小板剤CS−747が11月から欧米で臨床試験第3相に入り、06年度には申請も見込めるなど将来の成長基盤は整っている。
 とはいえ、こうした大手も常に外資系のTOBの標的となるリスクにさらされていることには注意したい。
【藤尾明彦記者】


(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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