米国債の2年物利回りが10年物を一時上回り、この組み合わせでは2019年以来初めて逆イールドが発生した。償還期限が短めの米国債利回りが長めのものより高くなる逆転現象は他の年限同士でも見られており、米金融当局の利上げが景気後退(リセッション)を引き起こしかねないとの見方を強めている。
29日の市場では米2年債利回りが上昇する一方、10年債利回りが低下し、2.39%近辺で逆転した。逆イールドが前回発生した19年8月は米国と中国が通商問題で争っていた時期で、それ以前に逆イールドが続いたのは06年から07年にかけてだった。
逆イールドの発生が始まったのは昨年10月で、20年債利回りが30年債利回りを上回った。今週には5年債と30年債でも06年以来初めて逆転していた。
メドレー・グローバル・アドバイザーズのグローバル・マクロ・ストラテジスト、ベン・エモンズ氏は「歴史的にリセッションは逆イールドなしでは起きていない」と指摘。「従って、これが将来の景気後退の前兆である可能性が高い。しかし景気後退入りの時期は分からない。遅くて2年先になるだろう」と説明した。
取引開始の時点では、2年債と10年債の利回り格差は12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近くの順イールドだった。その後、10年債利回りは一時2.38%前後と、8bp低下した。
原題:Bond Market Flashes Recession Signal as Key Yield Gap Inverts(抜粋)
(ストラテジストのコメントなどを追加して更新します)
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著者:Elizabeth Stanton
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