作業員22人がコロナに、問われる東電の開示姿勢 地元自治体への説明は不十分、生かされぬ教訓

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東京電力・福島第一原発で新型コロナウイルスの感染者が急増している。廃炉作業の一部が中断に追い込まれ、その情報開示のあり方も問われている。

廃炉作業が行われている福島第一原子力発電所(写真:時事)

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東京電力・福島第一原子力発電所で新型コロナウイルス感染者が急増し、廃炉作業の一部が中断に追い込まれている。

東電がこれまでに明らかにしたところによると、炉心溶融(メルトダウン)を起こした原発の2号機格納容器から燃料デブリ(溶け落ちた炉心燃料)を取り出すための準備作業に従事する100人の協力企業作業員のうち、3月4日から3月10日までの7日間で22人のコロナ陽性が判明した。このため東電は3月4日、格納容器内部にロボットを入れてデブリを取り出すための準備作業を中断した。

東電では感染した作業員について10日間とされる療養期間が経過することなどを理由に、17日にデブリ取り出しの準備作業を再開するとしている。

しかし、3月10日になって新たに2人の作業員が陽性と判明した上、元請け会社である東芝エネルギーシステムズの判断により自主的に実施されたPCR検査で陽性と判定された作業員が22人とは別に4人いる。また、感染者数がこれだけ広がった原因の究明についても途上であり、作業再開には危うさが漂う。

3~5次下請けの作業員が集団感染

東電は年内にアーム型ロボットを2号機の格納容器内部に投入し、数グラムのデブリを試験的に取り出すことを計画している。そのために、投入口近辺の放射性物質の除去や、放射線を遮蔽する隔離部屋の設置などを進めてきた。

今回、集団感染が判明したのは隔離部屋の設置作業に従事する20~60代の作業員で、元請け企業である東芝エネルギーシステムズの3次~5次下請けとして勤務していた。22人のうち13人は同じ宿舎から乗用車などに同乗して通勤。残る9人は福島県内外の自宅から通勤していた。

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