自民党総裁選でにわかに注目を集めている核燃料サイクル政策の是非。核物質問題の世界的権威に聞いた。
核燃料サイクル政策を続けるべきか否かは、次期首相を決める自民党総裁選でも主要な争点の1つになっている。
総裁選の有力候補である河野太郎・行政改革担当相は核燃料サイクル政策の見直しを訴え、「核のゴミ処分のあり方をテーブルに載せて議論しなければならない」と言及している。
核燃料再処理やプルトニウムなど核物質の問題に詳しいプリンストン大学のフランク・フォンヒッペル名誉教授に、日本の核燃料サイクル政策の是非についてインタビューした(書面インタビュー。インタビューに際しては、インターネット情報サイト「核情報」主宰者の田窪雅文氏の協力を得た)。
河野氏の「再検討発言」は大歓迎
――自民党総裁選で河野氏が核燃料サイクル政策の見直しを訴えています。六ヶ所再処理工場(青森県六ヶ所村)の稼働を前に、与党の有力者からこうした発言が出てきたことについてどう受け止めていますか。
私は、この問題について河野氏と話をしたことがある。河野氏が日本の核燃料サイクル政策について再検討すべきだと述べていることは大歓迎だ。
――河野氏は新著『日本を前に進める』の中で、「高速増殖炉の開発が頓挫し、核燃料サイクルは行き詰まっている」「使用済み核燃料を再処理して余分なプルトニウムを取り出す必要はない」「再処理で取り出したプルトニウムは、核拡散の危険性を高める」などと述べています。これらの主張の当否についてどのようにお考えですか。
これらすべての点において河野氏に同意する。
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