福島第一原発から発生する放射性物質トリチウムを含む処理水(ALPS処理水)をめぐり、自民党のベテラン議員が政府方針に反対している。何が問題なのか。
自民党の山本拓・衆院議員(元農林水産副大臣)は、同党の総合エネルギー調査会会長代理を務める原子力発電推進派のベテラン議員だ。その山本氏が東京電力・福島第一原発事故で発生した汚染水を浄化処理した「ALPS処理水」の海洋放出に断固反対の論陣を張っている。
政府方針に反対する理由は何か。山本議員にインタビュー取材した。
菅首相は約束を反故にした
――山本議員はALPS処理水の海洋放出反対を明言しています。与党議員でありながら、政府方針にあえて反対する理由は何でしょうか。
政府や東京電力は2015年8月、福島県漁業協同組合連合会(福島県漁連)に対して、「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」という文書を差し入れている。にもかかわらず菅首相は約束を反故にして2021年4月、海洋放出のゴーサインを出した。
福島県漁連のみならず、全国漁業協同組合連合会(全漁連)など多くの漁業関係者が「断固反対」を表明しているのは当然だ。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
ログイン(会員の方はこちら)
無料会員登録
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
この記事の特集
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら