アメリカ発のアウトドアブランド、ザ・ノース・フェイスを国内で大ヒットさせたゴールドウイン。次は会社として何を目指すのか。
![](/smwimgs/a/8/-/img_a8abf071-2ba3-4a00-bc5c-ba8b6f8f032d.jpg)
「モノを売るだけでなく、今後はわれわれがもっと自然に関与していく」と話す渡辺社長。創業の地の富山で、大規模な「プレイアースパーク」の建設計画を進める(撮影:尾形文繁)
アパレル不況時代にもかかわらず、スポーツ衣料メーカーのゴールドウインの業績が右肩上がりで伸びている。牽引役は同社が国内での商標権を有する「ザ・ノース・フェイス(以下ノース)」事業だ。
ノースはアウトドアブランドでありながら、とくに20~40代の若い世代からファッションブランドとしても支持され、毎年売り上げを伸ばし続けている。事業年商は700億円を超え、1ブランドで全社売上高の7割以上を稼ぎ出すまでになった。
そのノースを国内でメジャーブランドに育てた最大の功労者が、ゴールドウイン現社長の渡辺貴生氏だ。まだ国内で無名だった1980年代からノース事業に携わり、2000年からは10年間にわたって事業のトップを務め、確固たるブランドの地盤を築いた。その実績と手腕が買われ、2020年春に創業家以外で初となる社長に抜擢された。
ノース事業の育ての親は、次は経営者としてゴールドウインという会社をどう変えていくのか。渡辺社長に聞いた。
ようやくスタートラインに立った
――今や街中でノースのロゴを見かけない日はありません。昨今の人気ぶりをどう受け止めていますか。
アウトドアの世界が日本の人たちにも浸透し始め、ノースの衣料やバックパックなどを日常生活の中でも使ってくれる人たちが増えてきた。ノースの商品は機能性や合理性があり、価格的にも機能や品質を考えればリーズナブル。そのあたりも消費者から支持されている理由だと思う。
もちろん、支持者が増えたのはうれしい。ただ、今はまだ、日本でアウトドアライフスタイルが定着し始めた段階にすぎない。ようやくスタートラインに立ったところですよ。もっとノースのファンを増やし、より多くの人にアウトドアや自然との接点を持ってもらいたい。
![](/smwimgs/4/6/-/img_46527c8f-b7d7-4471-9f7e-96f1d7af25f4.jpg)
今やノースは、ファッションブランドとしても若い世代から絶大な人気を誇る。写真はカジュアル衣料を中心に扱う原宿の直営店「ザ・ノース・フェイス オルター」(記者撮影)
――2000年から10年間にわたって、ブランドの責任者である事業部長も務めました。直営店を増やし始めたのもその頃からですね。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
ログイン(会員の方はこちら)
無料会員登録
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
この記事の特集
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら