アシックス、「米国での大失敗」から学んだ教訓 カジュアル路線転換し、原点の「走る」へ回帰

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一時は業績不振に陥ったアシックスが、再び元気を取り戻しつつある。そこにはアメリカでの迷走を経た、「ランニングシューズ」への原点回帰があった。

写真はアメリカの直営店内での風景。ランニングシューズの再強化により、直営店を訪れるランニング愛好家の客足も回復基調にある(写真:アシックス)

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東京~箱根の往復10区間を大学生ランナーたちが襷でつなぐ箱根駅伝は、日本中が注目する正月の一大スポーツイベントだ。2022年の年始、テレビの前で声援を送りながら、選手たちの足元に熱い視線を送っている人物がいた。アシックスの廣田康人社長だ。

さかのぼること1年前。2021年の箱根駅伝に出場した全210人の選手のうち、実に9割以上がナイキのシューズを履き、アシックスを着用した選手は1人もいなかった。だが、2022年は24人がアシックスを選択。7割以上の選手が履いたナイキの人気ぶりは変わらないが、ナイキ以外ではアディダス(28人)と並んでアシックスが一定の存在感を示した。

「2021年の屈辱的な状況からは大きな前進。だが、まだこの程度で喜んでいる場合じゃない。来年はもっと多くの選手に履いてもらって、大きくシェアを取り戻したい」と廣田社長は意気込む。

一時はアメリカでカジュアル路線に走る

アシックスといえば、日本を代表するランニングシューズメーカーだ。欧米や豪州など海外でもランニング愛好家たちから広く支持され、海外売り上げ比率が7割を超えるグローバル企業でもある。

三菱商事の関西支社長だった廣田氏が、アシックスの尾山基・現会長にスカウトされて社長に就任したのが2018年。当時、同社の経営は大きな問題に直面していた。その震源地は全社売り上げの4分の1を占めるアメリカだった。

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