各国のリーダーが英グラスゴーにどれだけ集まろうと、COP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)の成果が限られることは、最初から目に見えていた。現在の取り組みでは、地球の気温上昇を産業革命前に比べ1.5度に抑えるという目標には手が届かない。米中の協力がなければ、世界は「2度未満」の目標すら達成できないのだ。
確かに、メタンガス排出削減で米中が協力するという驚きの宣言は、多少なりとも希望をもたらす動きではあった。しかし両国の地政学的緊張を踏まえると、広範な協力は期待しづらい。
パリ協定の目標達成に望みをつなぐだけでも、世界は今後10年で石炭、石油、ガスの消費をピークアウトさせねばならない。これは採掘可能な化石燃料の大部分を採掘せずに残しておくことを意味する。「脱炭素」を連呼するだけで実現できるようなものではない。
中国は今も石炭火力発電に投資し続けており、2020年には同発電所を週に1カ所を超えるペースで新設した。一方の米国も、化石燃料産業に炭素税を課すどころか、反対に補助金を与えている。
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