半世紀近くにわたりグローバル経済を支配してきた「ワシントン・コンセンサス」に退場のときが近づいている。筆者がイタリア代表を務めているG7(主要7カ国)の諮問委員会「経済レジリエンス・パネル」は10月に発表した報告書で、公的セクターと民間セクターの関係を劇的に変えるよう求めた。持続可能かつ公平で、回復力のある強靱な経済をつくり出すためだ。パンデミック、気候変動、拡大する格差など「現代の大問題を克服」する方策を議論するG20(20カ国・地域)の指導者は、世界を現在のような混乱に陥れた時代遅れのコンセンサスに逆戻りしてはならない。
ワシントン・コンセンサスが流行語になったのは、西側の資本主義が全世界を覆う流れが決定的になった1989年。財政、税制、通商について国際通貨基金(IMF)や世界銀行が推し進めていた一連の政策の総称として使われた(これらの機関が米ワシントンに本部を置いていることが、その由来)。新自由主義とグローバル化のキャッチフレーズとなったものだが、それゆえ格差拡大の元凶として厳しい批判にさらされた。
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