約3000億ドル(約33兆円)の負債を抱える不動産大手・中国恒大集団に破綻の危機が迫り、世界の投資家に動揺が広がっている。アナリストらの関心は、中国政府が問題をうまく封じ込め、西側諸国がかつて経験したような巨大な金融危機に発展するのを防げるかどうかに絞られている。
しかし金融の目先の安定ばかりに関心が集中すると、中国が直面するもっと大きな問題を見落とすことにもなりかねない。中国は雇用と経済成長をあまりにも長く不動産投資に頼ってきたため、その修正が避けられなくなっている。
中国の国内総生産(GDP)に占める不動産および関連サービスの比率は25%と突出している。2008年の世界金融危機前にスペインとアイルランドがつけたピークをも上回る水準だ。不動産セクターが急減速すれば、他部門に対する波及効果の大きさからして、GDPの累積成長率はわずか数年で軽く5~10%削り取られてもおかしくない。
依存体質という病
さらに、資本統制で国民の国外投資が規制されている中国では、不動産が資産形成の道具として圧倒的に重要な位置を占めている。そのため、不動産価格が急落すれば、国民に不満が広がるだけでなく、ほかの財やサービスの消費も大きく落ち込むおそれがある。
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