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「雇用保障」は空論ではない 気候変動がもたらす大失業

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機械化で懸念される大量失業よりもはるかに早く、気候危機によって大量の職が失われることになるだろう。熱波だけで2030年までにフルタイムの職が8000万人分消えると予想されている。最近の異常気象は気候予測モデルの想定を超えており、こうした失業予測でさえ過少見積もりとなっている公算は大きい。

にもかかわらず、米国のエコノミストたちは経済の「過熱」に気をもみ、金融を引き締め、雇用の増加にブレーキをかけるべきかどうかを議論している。その意味で、働く人々は2つの「熱波」にさらされているといってよい。1つは地球温暖化とともに迫り来る失業、そしてもう1つは「インフレ抑制のためには雇用を犠牲にするしかない」という破綻した主流派の経済理論だ。

雇用保障は、これら双方の問題の解決策となる。雇用保障とは、家族を養えるまともな雇用を必要な人すべてに向けて確保する公的雇用政策で、インフレ圧力を和らげる機能を持つ。15年に採択された気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」に対しても、これほど明確な回答となる政策はない。同協定には、あらゆる気候変動対策は「労働力の公正な移動、まともな仕事、および質の高い雇用の創出が必要不可欠であること」を考慮したものとしなくてはならない、とする公約が盛り込まれている。

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