日本企業の技能実習制度に対する意識にもようやく変化が見られる。
日本の産業が持つ技術や知識を開発途上国の人々に修得してもらう外国人技能実習制度。約38万人が国内で働く。政府は「途上国への貢献」をうたうが、海外からは「実質的な強制労働ではないか」と厳しい目が向けられる。労働実態を把握していない企業は今後、「人権リスク放置企業」と見なされかねない。
実習制度問題に詳しい識者はその懸念が顕在化したケースとして、2018年にカジュアル衣料大手・しまむらで起きた事例を挙げる。取引先の下請けである岐阜県の縫製会社が、実習生を違法労働させていた。12万〜13万円と低い月給にもかかわらず、実習生の法定時間外残業と休日労働時間は月180時間に及んだ。仕事内容も「縫製の実習」のはずが、主な作業は服の仕分けと梱包という単純労働だった。
この縫製会社で扱われていた商品の中に、しまむらのものがあった。実習生から相談を受けた「ものづくり産業労働組合(JAM)」の問い合わせで、しまむらは初めて実態を知った。前年には別の有名アパレル会社で同様の事例が発覚、一時はSNS(交流サイト)を通じた不買運動が起こった。
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