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ミャンマー進出の落とし穴 人権リスクを軽視した日本企業

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独裁を強める国軍との関係が顕在化し、日本企業は不買運動に直面する。

クーデターの首謀者ミン・アウン・フライン国軍司令官(ロイター/アフロ)

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国軍による市民の弾圧が続くミャンマーで、現地に進出した日本企業の業績悪化や事業の中断が相次いでいる。

キリンホールディングスは2021年度第2四半期決算において、ミャンマーで展開するビール事業に関して214億円の減損損失を計上した。2月1日に発生した軍事クーデターと、その後の新型コロナウイルスの感染拡大により経済がマヒ。カントリーリスクの急拡大に見舞われ、15年のM&A時に計上した、のれんの減損に追い込まれた。

新型コロナとともにダメージを与えたのが不買運動の広がりだ。キリンがミャンマーで展開するビジネスは国軍系企業との合弁事業。都市部を中心にボイコット運動が広がり、ビール製品の売り上げが落ち込んだ。クーデターを機に、キリンは国軍系企業との資本提携を解消する方針を打ち出したものの協議は難航し、出口が見えない。

国軍系企業と密接な関係

キリンにとっての誤算は、国軍系企業との関係が人権リスクの増大につながっていることにある。

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