なぜ母親がご飯を作るCMが批判されるのか。人権感覚をつねに磨く必要がある。
企業のテレビCMやPR動画が、“炎上”する事例が増えている。ネットの普及もあって、視聴者の不快感に賛同・共感する、規模もスピードも増幅。またかと思いながら見ていると、ジェンダーの観点から、いくつかのパターンがあることに気づいた。
あるターゲット層を明確にして、訴求することを目指したCMは、制作者の意図を浮き彫りにしている。そこでは男らしさや女らしさ、家庭のあり方が表されており、失敗例も少なくない。
下図は過去の炎上CMを4類型に図式化したものだ。縦軸に“商品の訴求対象”を取り、上に「女性」、下に「男性」を置いた。横軸には“炎上ポイント”を取り、右に「性役割」、左に「外見・容姿」を置いている。問題のCMはほぼどれかに当てはまる。
第1象限は、訴求対象が「女性」で、炎上ポイントが「性役割」。例えば食品メーカーで、女性を応援したつもりなのに、実は性役割分業の押し付けと批判されたものである。男性の不在を前提に、家事育児に追われる女性を描き、炎上してしまうパターンだ。
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