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追いやられる「がん」患者 コロナ優先で医療現場にひずみ

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コロナへの対応で、がんや緩和ケアなど通常の診療にも異常事態が起きている。

新型コロナウイルスの感染拡大「第3波」によって、日本の医療が危機に瀕している。がんなど命に関わる疾患さえ、新型コロナの影響を受けている。かつてない混乱と不条理に直面している医療現場をリポートする。

「第3波が来て、重症化率がすごく上がっています。高齢者や基礎疾患がある人だけでなく、50代前後の働き盛り世代が重症化するケースが増えているのです」

こう語るのは、大阪府の堺市立総合医療センター呼吸器内科部長の郷間厳医師。

同センターは、呼吸器疾患センター病棟45床をコロナ専用病棟に転用。郷間医師ら3人のコロナチームを他科医師らがサポートしている。加えてICU(集中治療室)も重症患者を受け入れてフル稼働しているが、感染者急増に追いつかない。

「今まで入院できた患者が入れず、かなり状態が悪化した患者が、やっと入院できるのが現実です。感染が拡大している影響でしょう」(郷間医師)

今年に入り全国各地で、コロナ患者の搬送が20以上の医療機関から断られたり、搬送先の決定に6時間以上かかったりするなど受け入れ態勢が問題になっている。

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