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コロナ医療危機の深層 病床逼迫に処方箋はあるか

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政府は新型コロナウイルスの2度目の緊急事態宣言について、東京など10都府県を対象に1カ月の延長を決めた。その要因とされた厳しい医療提供体制の最前線を追った。

本誌 井艸恵美、石阪友貴、風間直樹、長谷川 隆

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東京都墨田区にある東京曳舟病院は2021年1月中旬、一時的に土日の救急患者の受け入れを停止した。その前日、新型コロナウイルス感染症の重症患者が3人運ばれてきたのだ。同病院はコロナの軽症・中等症患者を受け入れてきた東京都の重点医療機関。本来、人工呼吸器などが必要な重症患者は高度な救急医療体制のある病院へ転院させるはずだが、搬送先が見つからない。やむをえず、救急外来用の病床を使った。

東京都の発表によると、コロナ患者用に確保された病床の使用率は、21年1月10日に80%を超えた。下図のように、入院患者の増加に病床確保が追いつかず、空き病床が逼迫。入院調整中の患者数も膨らんでいる。

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「助かる命が救えない状況が続くという意味での『医療崩壊』のステージには至っていない」。こう話すのは、20年春の「第1波」から重症患者と確保病床の状況を分析してきた日本集中治療医学会の西田修理事長だ。東京都の重症患者数は、第1波のピークの105人(4月末時点)に対し、11月以降の感染再拡大では1月20日の160人が最大。確かに重症患者数は増えているが、病床のキャパシティーを超えるレベルではないという。

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