ビジネスの現場が経済学を活用する時代に 海外で先行していた動きが、日本でも本格化

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経済学のビジネス活用が、いよいよ日本でも本格的なムーブメントになりそうだ。これまで筆者は(株)デューデリ&ディールの今井誠とともにオークション理論を不動産の売却に実用してきたが、これを始めた2018年春の段階では、そのような活動はほかに見られなかった。「世間は知らないようだが経済学はめちゃくちゃ使えるぜ」というのが私たちの偽らざる感覚であった。

20年春、筆者、今井、慶応義塾大学の星野崇宏、大阪大学の安田洋祐の4人で、Economics Design Inc.を立ち上げた。経済学を専門とするコンサルティングと、ビジネスパーソンへの教育事業を柱とする会社だ。私たちは、各自へのコンサルテーションの依頼が増える中、複数の分野にまたがる強いチームを必要としていた。需要が先にあって、供給が応えた形だ。

昔は経済学など役に立たないというのが世間の評価だった。私はそう言われるたびに、いかに役立つかとその事例をむきになって説明していた。それでも世間的な空気に勝つのは容易ではなく、私にもどこか自信のないところがあった。だが今、同じように言われても反論はしない。面倒くさいし、そこまで親切にする必要はないからだ。ただ、そのような人がいるおかげで、経済学を使う人の価値は増しているのである。

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