マスク着用への意識はなぜ日米で異なるのか 米国では思想・信条によりマスク着用率に差

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コロナ禍で、私たちの生活様式は根本的に様変わりしてしまった。リモートワークが普通になり、買い物をオンラインで済ませる人も増えただろう。

筆者の住む米国では、マスクをするかどうかが社会問題になっている。日本では花粉症の季節以外もマスクにそれほど抵抗のない人がほとんどで、政治的な思想・信条によってマスク着用率に大きな差が出るというのは、やや理解しにくいかもしれない。

しかし、なぜ日米のマスク着用にはこのような違いが出るのか。1つのカギになると考えられるのが、本稿で紹介する「ピア効果」だ。これはあるグループに所属する個人が、ほかのメンバー(ピア)の行動や特徴から受ける影響である。

例えば、慶応大学の中嶋亮氏が米国の高校生の喫煙行動について調べた研究では、クラスメートの喫煙率が高いほど、ある生徒の喫煙率も高くなるとわかった。また、慶応大学の中室牧子氏らが埼玉県の公立小・中学校の学力調査のデータを基に行った研究では、平均点の高いクラスに属した場合、翌年度の当該児童・生徒の成績が下がってしまうという「負のピア効果」が確認されている。なお、これらは、「ピアの平均値」が個人に与える効果を推定した研究だ。

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