理論と現実への貢献
鎌田:今回のノーベル経済学賞はオークション理論に贈られました。その理由は主に2つあって、1つは理論への貢献です。オークション理論をミルグロム氏、ウィルソン氏の研究が推し進めた。もう1つは、その理論を実地で使ったことです。
1つ目の、理論をよりよいものにしたという点ですが、オークション理論の分野では以前にもノーベル賞が出ています。今回の受賞者2人は、それよりさらに現実に近い状況を分析した。
具体的には、商品を見て「これ、すごくいいな」と思う。すると、「僕がいいと思っているということは、ほかの人もいいと思ってるんじゃないか」とも思う。このときに、入札者である僕はどのように入札するべきか。そんな現実的な分析を行ったんです。
2つ目の実地に使ったという点ですが、こちらは「周波数オークション」の話が主だと思います。
──周波数オークションとはどのようなものなのですか。
小島:身近なところだと、スマホなどに使われる電波周波数帯のライセンスを事業者に割り当てるためのオークションです。
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