標準治療が最善、健康保険も利く。高額な保険料を払う必要性は疑問だ。
新型コロナウイルス感染症への不安もあり、保険への関心が高まっている。しかし、新型コロナに備えるために医療保険に入る必要はない。新型コロナは「指定感染症」に指定されており、医療費が公費負担となるからだ。
とはいえ、改めて健康の大切さを実感し、病気への経済的な備えとして保険を考えるべきではないのか──。結論からいうと、医療費負担に備えて医療保険に入るというのは合理的ではない。それよりも、自由に使えるお金の貯蓄に励むべきである。
入院や手術の費用に備えるのが一般的な医療保険の役割だ。だが筆者の実感として、医療関係者や医療制度に詳しい人ほど民間の医療保険の必要性に懐疑的である。
医療現場で日々行われているのは標準治療であり、公的な健康保険が適用されるので、わざわざ民間の医療保険に入る必要はないということを知っているからだ。
標準治療といっても「松竹梅」の「竹」という意味ではない。科学的根拠に基づき、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態における一般的な患者に対して推奨される治療のことだ。前述したように健康保険が適用されるので、「標準治療が最善の治療」というのが、ほとんどの医療従事者の共通理解である。
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