保障より資産運用の目的で利用されているが、有利な投資商品ではない。
昨今、超低金利が続く中で、外貨建て保険を利用する人は多い。これは金融機関が熱心に販売を推進していることが背景にあるが、利用者の多くがその仕組みを誤解していることもその一因であると思われる。
結論から言えば、外貨建て保険は資産運用にはまったく不向きな商品である。そもそも、保険の役割は「保障」にある。貯蓄や投資を考えるのであれば、預金、株式、投資信託などで運用すべきだ。ところが、預金では金利がほぼゼロなのでお金は増えない。さりとて株や投信はリスクがある。これらのことから、安心感を与える「保険」というネーミングとも相まって、高金利とうたわれる外貨建て保険を選択する人がいるのだろう。
では、なぜ外貨建て保険は資産運用に向いていないと筆者が主張するのか。その仕組みを見ていこう。
1 商品性が中途半端
保険と名前はついているものの、外貨建て保険は死亡保障がそれほど手厚いわけではなく、中身は投信と同じ単なる資産運用商品である。払い込んだ保険料からさまざまな経費や手数料を引かれ、さらには保障に回す部分もあることを考慮した場合、それほど有利な資産運用商品ではない。
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