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現場面接を経ず内定出しも、「Web面接」で変わる就活 就活生からの不安の声が少なくないが、思わぬ効果も

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コロナの影響で企業はWeb面接による採用活動を行っている(jessie/PIXTA)

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「面接はリビングのテーブルで、家族にも外に出てもらい臨んでいる」。神奈川県の大学に通う就職活動中の大学4年生は、Web上での面接対策をそう語った。背景が映ってしまうことから、自分の部屋ではなく少しでも見栄えのする場所を選ぶという。

今、就活・採用の現場では新型コロナウイルス対策のため、会社にて実施する選考はほぼ行わず、大半は動画での選考だ。

動画選考は大きく2つに分かれる。1つは、自己PRや与えられた課題の答えを、録画して応募するもの。もう1つは、面談や面接をオンライン上で行うものだ。前者は、新しい選考手法として2〜3年前から広まっている。社内判定での参考にするだけでなく、動画をAIに読み込ませて判定するケースが増えている。ただ、今年の就活で急拡大しているのは、後者の「Web面接」のほうだ。

話が伝わるか不安

ただし学生のWeb面接への不安は大きい。リクルートキャリア・就職みらい研究所が就活生にWeb面接での不安を聞いたところ、自分の話が伝わるか、通信環境、視線の方向などへの不安が上位に並んだ。さらに「標準の形が確立していないので、服装や髪型で悩む就活生が多い」(文化放送キャリアパートナーズ・就活情報研究所の平野恵子所長)という。

企業側からは「画面越しでは雰囲気をつかみづらい」という意見が聞こえる。Web面接でしぐさや顔色など細かい反応を読み取るのは困難。そのため「内定を決める最終面接は実際に会って行う」という企業が大多数だ。

しかし、最終面接すらWebで行う会社が少しずつ増えている。

人材サービス事業を展開するプレシャスパートナーズは、来年入社予定の新卒5人にWeb面接のみで内定を出した。同社の髙﨑誠司社長は、「伝えたいことや聞きたいことはオンラインでも伝わる。特別違和感はない」と語る。コミュニケーション不足を補うため、Web面談をする社員の数や回数を増やすよう工夫。最終的な内定承諾も、後日会社を訪れてから判断してもらう形式にした。同社は企業向けの採用支援も行うが、「われわれの事例を聞いてWeb面接で採用を完結させる企業が増えている」(髙﨑社長)という。

Web面接はメリットもある。現場面接のための移動がなくなったことで、交通費や移動時間などの負担がなくなり学生の経済的負担が減る。海外に留学している学生は、現地で就職活動を進めることができる。

「来年以降もWeb面接は続き、選考も現場での一括採用からより複線化していくだろう」(平野所長)。コロナ禍によるWeb面接の普及は、就活の形すら変える可能性を秘めている。

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