政府は5月25日、1都3県と北海道で続けていた、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を解除した。東京都など各自治体は、施設や営業店舗などへの休業要請を段階的に緩和。経済活動は「ウィズコロナ」の時代に向けて再始動した。
今後問われるのが、企業がいかに感染拡大を予防しながら事業活動を営むかだ。西村康稔経済再生担当相は会見で、解除後の企業活動について、「テレワークできる部分はテレワーク。解除されたからといって、すぐに会社に戻らないでほしい」と訴えた。
新しい働き方として、かねて注目を集めていたテレワークだが、総務省の調査によると、2018年時点で導入済みの企業は約2割にすぎなかった。新型インフルエンザが流行した09年にも一時的に増加したが、本格的な普及には至っていなかった。
それがコロナ禍の緊急事態宣言によって一変。パーソル総合研究所の調査では、4月中旬における正社員のテレワーク実施率が全国平均で27.9%と、約1カ月前から倍増。東京都に限れば49.1%と正社員の約半数に達した。
ただし職種や業種によって対応の差はある。職種別では、企画系やエンジニアなどデスクワーク中心の人は在宅勤務しやすかった一方、建設や製造、医療などの現場で働く人は対応しきれていない。業種別で見ると、先行したのはデジタル環境に親しむIT業界だった。大手のGMOインターネットは、いち早く社員の原則在宅勤務や業務の印鑑廃止を宣言した。
浮き彫りになった課題
テレワークの可能性や課題も浮き彫りになった。本誌の読者にアンケートを実施したところ、通勤時間を省ける、仕事に集中しやすい、家族と過ごす時間が増えるといったメリットが挙がる一方、デメリットとしてはオン・オフの切り替えの難しさなどが挙がった。オフィス勤務時のように、上司が部下の働きぶりを直接見ることはできないため、人事評価が難しいという声もある。
ウィズコロナ時代にはテレワークの実践が不可欠だ。在宅勤務だけでなく、場所にとらわれずに働くモバイルワークや、サテライトオフィスでの勤務も含め、従来とは違う働き方が求められる。本特集では緊急事態宣言下で業種別に何ができ、何ができなかったのかを検証。テレワークを定着させるための方策を探った。
(本誌 許斐健太)



























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