遠隔でのコミュニケーションにおいて、新たなスタンダードとなったのがビデオ会議・チャットのツールだ。この分野では米国勢が圧倒的な存在感を誇る。
ビデオ会議ツールで急成長しているのが、米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズの「ズーム」だ。1日当たりの会議参加者数は、昨年12月の1000万人から4月下旬には3億人を突破した。
ズームは、好きな画像を背景に表示できる「バーチャル背景」が使える、1画面に最大49人の画像を表示できる、画像や音声の途切れが少ない、といった点が好まれている。米調査会社ガートナーの池田武史アナリストは、「後発の専業メーカーとして、既存のツールの穴をうまく埋めた。使い勝手を評価する企業は多い」と話す。
急成長の一方、ビデオ会議に部外者が侵入する、一部の暗号鍵を中国のサーバーで生成していたといったセキュリティーの問題が指摘され、利用を禁じる企業も出た。だが池田氏は、「ズームの台頭が競合他社を刺激した」と言う。
米マイクロソフトは、コミュニケーションツール「マイクロソフト チームズ」を使ってビデオ会議を行う際の、バーチャル背景設定機能やノイズ軽減機能を3月以降に相次いで追加した。米グーグルは「グーグル ミート」において1画面に表示できる人数を増やしたほか、5月には時間制限付きで個人利用を無料にした。
両社ともビデオ会議ツールをクラウド型オフィスソフト群の1つとして提供しているものの、機能が充実していたわけではなかった。専業であるズームの台頭によって重要性を認識した格好だ。
ちなみにズームのエリック・ユアンCEOは米シスコシステムズから独立した開発者。そのシスコが展開する「シスコ ウェブエックス ミーティングス」はエンド・ツー・エンド(ネットワーク上すべて)の暗号化機能を提供するなど、セキュリティーに定評がある。
国内勢も攻勢をかける
チャットツールでもマイクロソフトやグーグルがしのぎを削る。そのほか、専業として勢力を拡大するのが米スラック・テクノロジーズの「スラック」だ。月間アクティブユーザー数は1250万人以上で、エンジニアの支持が厚い。
国内勢では「チャットワーク」や「ラインワークス」などのサービスが非IT企業での使いやすさを訴求し、攻勢をかける。今後も激戦が続きそうだ。


























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