“リアルな場”を前提としていたエンターテインメントの現場にも変化の波。
新型コロナウイルスによる自粛は、エンターテインメント業界も直撃した。テレビ番組の演出に制約が出たほか、舞台公演やお笑いライブ、コンサートなどのエンターテインメントビジネスは自粛期間中、完全に失われた。
今後、社会的距離を取る“新しい生活様式”を守る中では、ここ10年の流れであった実演イベントで収益を上げるスタイルのビジネスは、収益性を落とさざるをえない。放送番組も作り方、演出の見直しを迫られている。
そうした中、ネットを使ったリモート技術で打開し、“コロナ後”での展開を見据えた動きが活発化している。
自宅からラジオ生放送
「スタジオに直接、入れないときでも品質の高いFM放送を行いたい」。クラブDJや音楽番組ナビゲーターを務めるDJ TAROさんは、毎週土曜深夜25時からJ-WAVEで生放送している番組を、自宅から放送した。
公共の電波を通じての放送。失敗は許されないが、彼には勝算があった。ヤマハが開発していた「ネットデュエット」という技術を使って局と自宅をつなげば、FM放送に足る品質の番組を生放送でも届けられる。4月11日の放送で自宅に機材を持ち込み、自宅のネット回線を用いてFM品質の放送をすることに挑んだ。
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