テレワークの目的は人同士の接触を減らすこと。接触機会の「8割削減」を唱えてきた、政府の専門家会議メンバーである北海道大学の西浦博教授を直撃した。(インタビューは5月18日に実施)
──新規感染者は大きく減りました。「せっかくここまで頑張ったのだから、もう少し頑張ってゼロにしよう」と言う人もいます。
実をいうと、専門家の有志メンバーがオープンに議論する場があって、時にはみんなで怒鳴り合いながら、かつ健康的にその話し合いをしたことがある。そのときは、国立感染症研究所の同志の先生が「これだけ下げられたのだから、1回、韓国や台湾のように新規感染を消さないか」とみんなに聞いた。「そうすれば、再び海外から感染が入ってくるまでの短い間かもしれないが、『新しい生活様式』ではなく、本当に元の生活に戻れるよ」と。それでみんな「さあどうするか」と話し合った。
そのときわかったのは、新型コロナでは感染者全体の約30%が不顕性(無症状)と推定されているが、さらに、症状が軽微で気づかなかったりする人も相当数いること。検査で確定した患者が氷山の一角であるという度合いは激しい。
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