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GMOインターネット熊谷正寿社長「未来家賃を削減できる」 インタビュー 日本人の働き方を変えるか(3)

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GMOインターネット 会長兼社長 グループ代表 熊谷正寿(くまがい・まさとし)1991年ボイスメディア設立。95年にネット事業を開始。99年に上場。2001年グローバルメディアオンライン(GMO)に社名変更。

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1月末、新型コロナ対策として国内企業の中でいち早く在宅勤務へ移行。業務のデジタル化の旗を振る狙いを聞いた。

 

1月25日に災害対策本部を立ち上げ、翌日には意思決定して、本社がある渋谷エリアなどに勤務する従業員約4000人を原則在宅勤務とした。渋谷には観光客も多く集まる。通勤で従業員を人混みにさらすわけにはいかない。

迅速な判断ができたのは、従業員の安全を確保しつつサービスを止めないための訓練を、10年以上にわたって行ってきたためだ。サービスや業績にもマイナス影響を出さず、今日に至っている。

複数回行った従業員アンケートでは、オフィス勤務よりむしろ生産性は上がったという部署が多くあるとわかった。そこで一部の職種では今後、在宅を通常勤務に組み込むことに決めている。

具体的には今後、週5日のうち1〜3日間を在宅対象とする。部署によって違うだろうが、ひとまずの推奨は週2日。満員電車で通勤する必要がなくなるし、生活の質を上げられるはずだ。

フルリモートは困難

ただ在宅勤務を進めても、「オフィス不要論」については極端だと考えている。フルリモート体制で、会社が未来永劫うまくいくとは思えない。GMOが今、支障なく営業できているのは、25年にわたる従業員間のコミュニケーションの“貯金”があるからだ。

1つのアプリを開発するだけなら、関係者が完全在宅勤務の体制でもできるだろう。だが、ネットサービスは作った後が勝負。ユーザーを集めること、ユーザーの反応を見ながら改善することなどが必須だ。その仕事においては、互いを熟知したメンバーとのコミュニケーションが不可欠だ。

ビデオ会議をはじめテレワークを便利にするツールは増えたが、現時点ではリアルのコミュニケーションと組み合わせてこそ効力を発揮すると考えている。

したがって在宅勤務を増やしても、その分オフィス面積を削減するというのは現実的ではない。ただし、GMOでは毎年人員が数百人規模で増加しているので、従来なら必要だった増床分をこの先数年間抑えることはできる。いわば「未来家賃」の削減だ。

ざっくりした計算で、週5日のうち2日が在宅になれば、週当たりのオフィス出勤者は4割減。つまり人員が現状から4割増えるまで増床しなくていいことになる。

渋谷エリアの賃料だけで月に約3億円かかっていることを考えれば、今後節減できる費用はバカにならない。浮いた経費の半分は従業員に在宅手当で還元し、残り半分は利益計上して株主に還元するつもりだ。

(構成 長瀧菜摘)

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