美容投資で収入増が見込めるが、 容姿だけで幸福決まらず
評者/北海道大学教授 橋本 努
[Profile]こばやし・じゅん/1968年生まれ。成蹊大学文学部教授、同大学社会調査研究所所長。専門は社会的不平等、ライフスタイル、数理・計量社会学。著書に『ライフスタイルの社会学』『アクティブ・ラーニング入門』、共編書に『変貌する恋愛と結婚:データで読む平成』など。
ハンサムや美人はどれだけ得しているのだろうか。そんな素朴な疑問に数理社会学のメスを入れた好著である。
自分がハンサム/美人だと思う上位4分の1は、下位4分の1と比べ、15歳から結婚するまでの恋人の数が1.5倍だったという。同様にハンサム/美人は年収が147.6万円多いという結果が出た。
恋人の数の多さは予想できるとして、見た目の差はどうして年収の格差に及んでしまうのだろう。立ち入って分析すると、どうも容姿の違いは教育と体重に関係するようだ。
とりわけ大学院を卒業した人は容姿に関する自己評価が高い。体重の増加は、男性ではなく女性の場合、自己評価が低くなることが分かった。一方で、身長や年齢や職業や収入は、容姿との有意な関連が見られなかったという。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待