脱化石燃料の工程を提示、日本は米国にも劣後する恐れ
評者/BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎
[Profile]Jeremy Rifkin/経済動向財団代表。メルケル独首相をはじめ、世界各国の首脳・政府高官のアドバイザーを務める。米ペンシルベニア大学ウォートンスクールの経営幹部教育プログラムの上級講師。『エントロピーの法則』『水素エコノミー』『ヨーロピアン・ドリーム』『限界費用ゼロ社会』など著書多数。
各国首脳に地球温暖化問題で助言する文明評論家が、化石燃料文明からの脱却の工程を論じた。パンデミックに手一杯で温暖化に対応するゆとりはないと考える人も多いが、近年繰り返されるウイルス危機は、人類が生態系を侵し野生動物を宿主とするウイルスを覚醒させたことが原因で、同根の問題だ。
歴史的に通信、動力源、輸送機構の3つが同時に変わる時、社会は大変革を遂げた。19世紀初頭は、石炭を燃やし蒸気を動力源に生産した商品を蒸気機関車などで輸送し、工業社会が幕を開けた。電信と蒸気機関を使った新聞の大量印刷で、庶民も情報に接するようになる。20世紀初頭は、ガソリンを利用した内燃機関で発電、その電気で大量生産し、自動車による広範囲への輸送が始まった。テレビと電話の時代が始まり、素早い情報取得も可能となる。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待