35歳の自分に向けて研究せよ インタビュー/旭化成 名誉フェロー 吉野彰

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2019年ノーベル化学賞の研究者が学生に告ぐ

よしの・あきら 1948年生まれ。京都大学大学院修了後、72年に旭化成入社。2017年から現職。(撮影:今井康一)

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1985、86年に申請した特許でリチウムイオン電池の基本構造を確立し、晴れて今年のノーベル化学賞の受賞が決まった吉野彰氏(71)。京都大学大学院を修了後、産業界で半世紀近い研究者人生を送ってきた吉野氏が、理系学生に送るメッセージとは。

──化学の面白さに目覚めたのは、小学生の頃だそうですね。

小学校3〜4年生の頃、担任の先生が薦めてくれたファラデーの『ロウソクの科学』を読んで、これは面白い、と。だんだん、好きなことが得意科目になっていき、化学の研究をすることになった。

──京大での学生生活について教えてください。

学部では、とにかく専門以外のことも身に付けなさいと。没頭したのが、考古学の課外活動だ。京都や奈良で遺跡が出ると、役所から「10人くらい手伝いに来て」とお呼びがかかる。専門分野がバラバラの学生たちが集まって、ひたすら土を掘る。今思えば、このとき考古学をやった経験が、時代を読む力につながったように思う。

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