地方には、元気な工業大学が少なくない。その原動力を探った。
地方を中心に元気な工業大学が少なくない。そのいくつかを紹介していこう。
大学の名称からトヨタ自動車の技術者を養成する機関かと思われることもあるのが豊田工業大学だ。
しかし、それは正確ではない。卒業生には、ホンダや日産自動車の技術者になった者もいる。総合商社、情報通信やインフラ関連に就職した者もいる。ただ大学では、トヨタの技術、生産管理、経営方式を学ぶことができる。
豊田工大では、入学時にものづくりのメンタリティーを培う教育を行う。例えば1年生は全寮制で、自炊生活をする。工学部の齋藤和也教授は、「料理は工学に通じる。ものを作って人に喜んでもらうという意味では工学の基本であり、学生に身に付けてほしいこと。寮生活ではさまざまな問題点を見つけ、お金をかけずに効率的に解決させるようにしている。企業の生産ラインに入って働くことも必修としており、ものづくりの大変さを体験させている」と語る。
創造性を育む
2年生までは工学の基礎として機械、電子情報、物質などさまざまな分野を学ぶ。企業が、垣根を越えた幅広い知識や技術を持った人材を求めているからだ。3年生になると主専攻に分かれ、企業の技術開発の現場でも実習を行う。
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