活動部隊の半数は“非”医療者
──「国境なき医師団」(略称、MSF)とは、紛争地や被災地へ駆けつける医療関係者有志、くらいのイメージでした。
実はスタッフの半数がノンメディカル(非医療者)なんです。現地で活動するにはライフラインの確保、テント・タンク・浄水装置・食糧・毛布・車両・発電機等々が必要になる。インフラづくりや安全管理、裏方全般を担当するロジスティシャン、経理・人事担当のアドミニストレーター、チームをまとめるプロジェクト責任者など、実に多種多様なバックグラウンドの人が参加しているんです。
もう1つの特徴は徹底した独立性。活動資金の9割が個人からの寄付で、政府や製薬会社など企業からの援助は基本断る。何らかの協力を得ても企業名の表示など見返りはなし。あくまでも独立性を担保する。そこに患者を選ばない中立性、民族・宗教・政治的信条を分け隔てなく受け入れる公平性を加えた3点が確保できない場合は、撤退することもあるんです。
──崇高な方々、みたいな冷めた決めつけも間違っていたようです。
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