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「読解力のない経営者や社員は会社を潰すリスクがある」 インタビュー/国立情報学研究所教授 新井紀子

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あらい・のりこ 一橋大学法学部、米イリノイ大学数学科を卒業。イリノイ大学5年一貫制大学院を経て東京工業大学で理学博士号取得。専門は数理論理学。(撮影:尾形文繁)

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読解力を向上させるために、何をすればよいか。RST(リーディングスキルテスト)の研究開発を主導した新井紀子・国立情報学研究所教授に聞いた。

新井氏はRSTの結果を分析し、子どもの読解力の低さに警鐘を鳴らしている(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。)

──社会人の読解力の現状について、どう分析していますか。

分散が大きいというのがRSTで調査した実感だ。東証1部上場企業の中でも、中学生の平均を下回る人がいる一方で、圧倒的な速さで正確に読める人もいる。一組織の中でもそうとう能力の分散が大きいという印象を持っている。

──読解力がないことで、どんな問題が起こるのでしょう。

読解力がない人では仕事にならない状況が生まれてきており、これからもっと厳しくなる。20世紀後半には「この帳票が来たらこう処理する」といった、読解力が高くなくてもこなせる仕事が大量にあった。教育のあり方にしても、サイロ型(縦割り構造)の組織にしても、垂直統合型(設計から製造まで手がける)ビジネスにしても、20世紀後半には最適だった。

ところが21世紀に入って、AI(人工知能)などのテクノロジーが急速に進展し、社会の求める最適解が変わってしまった。デジタライゼーションによって、人がやっていた読解力のいらない仕事が突然なくなるということが起こる。

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