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参院選後にせめぎ合う安倍1強と政治の多様性 平成末の状況をそのまま引きずった政権

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参院選では、令和時代の刷新を予感させる動きが鮮明になった。

当選したれいわ新選組の舩後靖彦氏(中央)と山本太郎代表(右)(日刊スポーツ/ アフロ)

7月21日に投開票された参議院議員選挙は、当初の予想どおり、ほぼ3年前の参院選と同じ結果となり、与党が過半数を確保したものの、与党と日本維新の会を合わせた改憲勢力が改正発議に必要な3分の2を失うという結果に終わった。かくして、安倍晋三政権は信任され、これまでの政権運営がそのまま続くが、憲法改正の実現は遠のいたという状況となった。

新しい息吹も見えた

こうしてみると、令和に入って初めての国政選挙ではあっても、平成時代をそのまま引きずった結果となった。他方で、これまでとは異なる動きも生じている。つまりは平成と令和がせめぎ合う選挙となったのである。

まず、これまでの安倍政権は、勝利が可能とあれば、万難を排して勝ちに出ることが特徴であった。今回は衆参ダブル選挙となる可能性が早くから取り沙汰されたが、結局は取りやめとなった。しかも、政権と与党は3月末に予算案が成立した後、予算委員会を開催しない方針をとった。安倍首相はじめ閣僚に野党が施策について答弁を求め、それを追及する場を消し去ったのである。並行して、政府はとくに政権の目玉となるような新しい施策を打ち出さず、これまでの方針に沿った各省の政策形成にとどめた。選挙での争点をつくらせないという姿勢をとったのだ。

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