有料会員限定

同日選を見送った安倍政権 「1強」の慢心に潜む陥穽

✎ 1〜 ✎ 219 ✎ 220 ✎ 221 ✎ 最新
拡大
縮小

衆参同日選見送りの背景には、参院選単独でも負けないとの判断があるが、強気が裏目に出る可能性も。

一時は本気で衆院解散を考えていた。写真は党首討論で答弁する安倍晋三首相(時事)

解散風は吹き荒れたが、風だけで終わった。本稿執筆は6月25日だが、通常国会は会期延長も衆議院の解散もなく、26日に閉会する見込みだ。参議院選挙は今年の場合、公職選挙法32条2項によって、閉会の日から「24日以後、30日以内」、つまり7月20日〜26日となるが、投票日は日曜日の21日で確定的である。

安倍晋三首相は衆参同日選挙と参院選単独実施の2枚のカードを手に、判断の期限の6月上旬まで情勢を見極め、最後に同日選見送りを決めた。途中、本気で同日選を考慮したのは、4つの狙いがあったからだ。

第1は、参議院での自民党の単独過半数の維持だろう。自民党は野党時代の2010年の参院選から17年の衆院選まで衆参選挙5連勝を遂げ、「安倍1強」を誇ってきたが、参議院の議席数は123(議長を除く)で、選挙後の参議院の過半数(123。3議席増で計245)と同数だ。今夏の参院選で1議席でも減らせば単独過半数を割り込む。そうならないために同日選で勝利を、と考えた。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内