首相が衆参同日選へ打って出る動機は十分ある。最大の壁は野党ではなく、「内なる敵」の公明党だ。
平成から令和に移る10連休中、安倍晋三首相が注目すべき動きを示した。平成最後の4月30日の夜、東京の富ケ谷の私邸で約2時間、麻生太郎副総理兼財務相と密談した。続いて5月3日の憲法記念日、憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せた。
昨年暮れから衆参同日選挙の臆測が絶えないが、麻生氏は前々から同日選論者とみられている。3年前の2016年も、安倍首相は同日選論に同調しなかったが、麻生氏はご執心だったといわれた。
安倍・麻生会談の中身は漏れてこないが、今度も夏の衆参同日選の有無や是非をめぐる協議だったのでは、とみる人が多い。一方、首相が強い意欲を示す改憲問題も話題に上ったと思われる。
安倍首相は2年前の17年5月3日にも一度、ビデオメッセージで改憲を訴えた。首相が改憲挑戦を現実テーマと捉えたのは16年7月の参院選以後だ。改憲容認勢力の合計議席が参議院で戦後初めて3分の2を超え、憲法が定める改憲案発議要件に衆参で達した。それを踏まえ、10カ月後、1回目のメッセージで「改憲実現後の新憲法の20年施行」を提唱した。
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