これまでの医療の常識を変えるベンチャーが出現。巨額のマネーも飛び交う。
14歳で米マサチューセッツ工科大学(MIT)に入学し、16歳で中退。21歳でベンチャーキャピタル(VC)を設立──。そんな天才が熱を上げるのが、「不老長寿」の研究だ。
天才の名は、ローラ・デミング。老化の仕組みに着目して新薬や治療法を開発するベンチャーに投資する「ロンジェビティ(長寿)ファンド」のゼネラルパートナーだ。
大学中退後に飛び込んだのが、米決済大手ペイパル創業者のピーター・ティール氏が創設した起業家向け奨学金プログラムだ。そこでファンドの構想を練り上げた。
現在25歳のデミング氏が率いるファンドは累計約40億円を調達し、10社以上に投資。「何年も老化の仕組みに関する研究に没頭したが、実用化されなければ意味がない。この分野は研究や事業化の資金が足りていなかった」。デミング氏は本誌の取材に対し、研究ではなく、投資家としての道を選んだ理由についてそう語った。
不老長寿ベンチャーに大物起業家が積極投資
米国のベンチャー業界では今、『不老長寿』の話題で持ち切りだ。ロンジェビティファンドが投資したバイオベンチャー、ユニティバイオテクノロジーには、前出のティール氏のほか、米アマゾンのジェフ・ベゾスCEOらが個人で出資。昨年5月にはナスダック上場も果たした。
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