社会の諸問題に、哲学的アプローチを。元商社マン・市役所職員という異色の経歴を持つ哲学者が指南する、ビジネスで活用すべき哲学思考のススメ。
ソクラテスの実践哲学へ原点回帰せよ
今、世界で「本来の哲学」が求められている。従来、哲学はまるで文献学のように捉えられがちであったが、本来は古代ギリシャのソクラテスがそうしたように、新しい視点を探求し物事を思考する学問なのである。ソクラテスの弟子であったプラトンが師の言ったことを研究し、その後に続く哲学者たちも先哲の言葉や考えを研究する。そうして哲学は古典研究の色彩が濃くなってしまったわけだが、ソクラテスが実践したことは、世の中の人々が真理を導き出すための手助けだ。その方法として、彼は街の人たちに問いを投げかけた。質問をされることで、人は考える。今までとは違う視点で考えてみることで、新しい発見をする。それこそが哲学の本来の形だといえる。
私自身、哲学とは何かと問われれば「フレームを超えて物事を考えること」と答えている。新しい問題が発生したとき、まだ世の中には指針となるべき考えがない。そこで自分が持つ考えや世間の常識、既存の見方を超えて思考することが必要とされる。諸問題を抱えた現代に哲学が求められているのは、そこに理由があるのだろう。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら