有料会員限定

今日から使える! ビジネスに活用できる哲学用語10 ルサンチマン、イデア、アウフヘーベン、脱構築…

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

特集「世界のエリートはなぜ哲学を学ぶのか」の他の記事を読む

物事の本質を考えるのが哲学。哲学には人間を知るためのあらゆるツールがある。ビジネスシーンですぐに使えそうな用語を選び、東京女子大学の黒崎政男教授に解説してもらった。

 

初級【ルサンチマン】

弱者(被支配者)が、力ではかなわない強者(支配者)に対して持つ憎悪やねたみを内面にため込んだ感情。そこから、弱い自分は「善」であり、強者は「悪」だという「価値の転倒」が図られる。ニーチェは「現世では苦しめられている弱者こそ来世では天国に行き、現世での強者は地獄に落ちる、といったキリスト教的道徳はルサンチマンの産物だ」と主張した。憎悪やねたみが、キリスト教をつくり上げてしまうほどの創造的な力に変換するわけであり、ポジティブな意味も含む。

【例】会社が買収され、不遇な扱いを受けた。僕たちに生じたルサンチマンを力に会社を取り戻そう。

 

初級【イデア】

事物の原型、物事の真の姿、根拠など、絶対的な判断基準。プラトンは、人間が住む世界とは別に「イデア界」があると考えた。花を美しいと感じるのは、イデア界に美のイデアが存在するからであり、この三角形が三角形であり、この行為が正義であるのは、それらの根源となるイデアが存在しているからだ。ただ、イデア的発想で世の中を見れば、“上から目線”になるし、粗が気になり批判的になる。イデア的発想はだんだん引きずり下ろされていった。今は「美しいと思うか思わないか」「善か悪か」といった判断は個人の好みや立場によって違うと考えられるようになった。イデアは内面化されてしまい、絶対的な基準はなくなった。

関連記事
トピックボードAD