新築マンション市場に転機が訪れている。需要は息切れし在庫は膨らむ。今後も消費増税や金利上昇懸念、KYB偽装問題の余波など波乱要素ばかりである。
新築マンションの異変にいち早く気づいた人たちがいる。ネットで活動する「マンション愛好家」のブロガーである。
東京湾岸エリアのマンションウォッチが専門のハンドル名「のらえもん」氏は最近、新築マンションのモデルルーム訪問記をあまり書かなくなった。「まじめにレビューしようとすると、ボロクソに書くことになってしまうから」。
彼の目には最近の新築マンションはまるで安い賃貸アパートのように映るという。天井高は低くなり圧迫感が増した。部屋の中に柱が食い込んで出っ張る「インフレーム」の物件が増えた。
従来物件ではありえない、「アルコーブ」なしの新築も出てきた。アルコーブとは、玄関前の外廊下から少しくぼんだ空間のこと。これがなければ、廊下を通行する人が開閉したドアにぶつかりかねない。土地代の高騰でデベロッパーが敷地をより効率利用した結果、機能性が犠牲となった。「2年ほど前からこうした傾向が顕著になった」(のらえもん氏)。
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