新卒一括採用、終身雇用を前提とする雇用慣習は日本企業特有とされる。海外での就職活動、雇用慣習の実態はどんなものか。
企業は中途採用が中心 大学や学部間で格差も
中国の民間企業は新卒採用を基本にするところは少なく、あくまで経験者採用、日本でいう中途採用が中心だ。日本との一番の違いはここにある。そのため、実務経験の乏しい新卒学生は立場が弱く、就職事情はなかなか厳しい。おまけに中国の大学生は数が多い。2018年度の新卒大学生は約820万人。大学進学率は42.7%(16年統計)に達し、世界平均を上回る。中国の経済規模は日本の2.5倍程度だが、新卒学生の数は10数倍にも達するため、大学生が満足できる内容の仕事を探すハードルは高い。
新卒社員の離職率は高い
日本でいう大学の偏差値や学部、学科による就職状況の格差が大きいのも中国の特徴だ。北京大学や清華大学といった名門大学でも、学部学科によってはほとんど求人がないという。
初任給も出身大学で大きく違う。中国の就職情報企業の調査によると、17年新卒の平均初任給が最も高かった清華大学は9065元(1元は約17円)に達した一方、同調査で200位の西安建築科技大学(陝西省西安市)は3394元と2.6倍も開きがある。同様に学部学科間の初任給にも数倍の差がある。こうした状況であるため、中国の高校生は就職に有利な学部学科に入ろうと受験勉強に没頭する。
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