『総務部長はトランスジェンダー』を書いた岡部鈴氏に聞く 封じた感情47歳で炸裂、告白は社内一斉メール

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家族を大切にし、父であり続ける。けれど一歩家を出たら女性としてよりよい人生を歩みたい──。そんな究極の願いを実現させるまでの山あり谷あり、喜怒哀楽の日々をつづった意欲作。

総務部長はトランスジェンダー 父として、女として
総務部長はトランスジェンダー 父として、女として(岡部 鈴 著/文芸春秋/1600円+税/230ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

封じた感情47歳で炸裂 告白は社内一斉メール

──女性で行きます!とカミングアウトして6年。会社ではもう自然になじんでいる感じですか?

そうですね。万が一ネクタイでも締めて出社したら、それこそ「どうしたの?」になっちゃう。男物のカジュアルな服で家を出て、途中トランクルームに寄って女性服に着替え、化粧をして、電車通勤する生活です。トランクルームにエアコンはあるんだけど効きがイマイチよくなくて、夏は汗だくでメイク。大変です(笑)。

──最初に女子願望が芽生えたのが小学6年生のころでしたね。

歌手の山口百恵さんの大ファンで、「身も心も百恵ちゃんのようなりたい」と思っていました。当時はトランスジェンダーやLGBT(性的少数者)、性同一性障害などの言葉がなかった時代。そのうち声変わりもし、男子に生まれたことを受け入れるしかなかった。

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