筆者が財務部長の時にパナソニックは7000億円を超える赤字を2回計上、ネット資金は▲1兆円まで悪化し、地獄の苦しみを味わいました。全社レベルの資金創出活動により2年あまりで実質無借金になりましたが、その時に得た教訓は以下の3つです。
2. 真剣に回収可能性を検討する「適正な投資判断」
3. 攻め・守りのための「資金調達への備え」
この教訓を基に、グリーでも資金改善に取り組み、現預金が総資産の3分の2、自己資本比率9割の盤石な財務体質に変わることができました。
「資金は企業の血液」
私が入社当時のグリーも、規模は違えど当時のパナソニックと共通点がありました。積極投資の失敗・減損による収支悪化・資金の減少などです。ただし、メーカーと比較すると、運転資金は小さく債権回収や在庫削減という論点はほとんどありません。
当時の経営はゲームの一本柱で、限界利益率が高いだけに売り上げが止まると、一気に利益や資金は悪化しました。ゲームは当たりはずれに大きく左右されるため、ボラティリティは高く、キャッシュフロー創出力は安定しません。ヒットする確率を上げるために血のにじむような努力をしていますが、ゲームのリッチ化・開発期間の長期化・賞味期間の短縮化等で大きなリスクを抱えていました。今は事業の多角化に取り組み、2本目3本目の安定的な収益の柱の創出に取り組んでいます。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら