PDCAサイクルのポイントは「精度」と「速さ」 第3回 先読みして行動できる会社は強い

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決算や支払いをするだけの経理財務では、社内に組織を持つ意味がない(写真:AndreyPopov/iStock)

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筆者が経理財務部門の社員たちに繰り返し言っているのは、「経営改善のアクションを起こす」ということです。決算や支払いをするだけの経理財務では、社内に組織を持つ意味がありません。それでは、どのようにすればアクションを起こせるのでしょうか。

経営改善のアクションを起こすためには、経営のPDCAサイクルを精度高く速く回す必要があります。

経営のPDCAサイクルを精度高く速く回す(図:筆者作成)

「着地見通し」から戦略立案し、「アクション」を起こし、早い決算で実態を把握し、前回見通しとの乖離を分析して、次の「改善策」を実行し、見通しの精度を上げていく、というサイクルです。

「決算検討会」から「着地見通し検討会」へ

筆者が入社した時のグリーは、急成長に管理が追いつかず「当月の売り上げしか読まない会社」でした。ゲームの日々のKPIの分析力やそれに基づく運営力はすばらしいと感心しましたが、P/L B/Sに関連する経営指標はほとんどありませんでした。また、ボラティリティが高いということも一因ですが、先を読むのも当月だけで、月初の初速を見てから当月の売り上げを読みに行くのがその時の経営のやり方でした。

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