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日の丸半導体に残された最後の砦 奮闘する東芝とソニー

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日の丸半導体が凋落して久しいが、個別に見れば日本勢が存在感を発揮している分野も残っている。NAND(ナンド)型フラッシュメモリの東芝と、CMOS(シーモス)のソニーだ。海外勢と激しい設備投資競争を繰り広げている両社については、東芝が最新の技術開発、ソニーが車載用途の開拓でさらに戦いに挑んでいる。この分野を突破口に、日の丸半導体は再び輝くことができるのか。

四日市工場で握手する成毛社長(右)とベインキャピタルの杉本勇次日本代表(昨年10月)(撮影:梅谷秀司)

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東芝メモリ|ファンドの傘下で再スタート

「3年以内の株式新規公開と、東芝メモリとしての企業価値の向上を目指す。ますます厳しくなるグローバル競争をベインと勝ち抜いていく」。6月4日、都内で開いた東芝メモリの売却完了の記者会見で東芝メモリの成毛康雄社長はそう宣言した。

1990年代に栄華を誇った日本の半導体メーカーは、DRAMで巨額の投資競争についていけず、全社が撤退に追い込まれた。そうした中で東芝メモリは、自社が発明したNAND型フラッシュメモリで世界2位の座にある。

ただ、東芝は米国原子力事業で生じた1兆円超の損失を穴埋めするため、NAND事業を分社・売却せざるをえなくなった。その結果、東芝メモリはこの6月から、米投資ファンドのベインキャピタルが軸となる企業連合の傘下で新たなスタートを切った。

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