有料会員限定

電池業界の超新星 CATLの躍進 »»第2章 電池|「金の卵」争奪戦

✎ 1〜 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 最新
拡大
縮小

EV時代の必需品である電池。資源も含めて世界中で奪い合いが起きている。

イラスト:今井ヨージ

特集「怒涛の半導体&電池」の他の記事を読む

車載用リチウムイオン電池の風雲児、寧徳時代新能源科技(以下CATL、中国福建省寧徳市)が6月11日、深圳証券取引所に上場した。

EV(電気自動車)で世界最大の市場となった中国は、購入者に対し補助金を支給するなど国策でEVの需要を作り出している。加えて中国政府は、2016年まで実質的に中国の電池メーカーのみを優遇する施策を行ってきた。その過程において「中国に100以上ある車載電池企業の中で、CATLは頭一つ抜けた存在」(中国の産業政策に詳しい長岡技術科学大学の李志東教授)となった。17年に同社は出荷量でパナソニックを抜いて世界首位に躍り出た。

三元系の角形リチウムイオン電池を主力とするCATL(提供:CATL)

株式市場での評価は高く、株価は6月20日時点で上場来6日連続のストップ高を記録し、時価総額は1300億元(約2.3兆円)に達した。「中国における今年のIPO(株式新規公開)ビッグ3が、CATL、鴻海(ホンハイ)精密工業子会社の富士康工業互聯網、創薬ベンチャーの薬明康徳だ。EV銘柄の中でもCATLの株価はパフォーマンスが高い」(中国株に詳しい藍澤証券の王曦主任)という。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
怒涛の半導体&電池
『会社四季報』で発掘!
Interview|旭化成 名誉フェロー 吉野 彰
「リチウムイオン電池、2025年以降の技術開発が勝負」
東電とNTTがタッグ
電池需要の拡大に欠かせない
コバルト採掘に児童労働の暗部
メーカーに求められる意識改善
不足する主要3原材料
「量」より「質」に懸ける
日本の電池材料なくしてEVは生産できない
»»第2章 電池|「金の卵」争奪戦
Interview|経営共創基盤 CEO 冨山和彦
自動車用途で一躍脚光
貿易戦争の火種
奮闘する東芝とソニー
材料から装置まで席巻
トップが明かす超活況の理由(3)
トップが明かす超活況の理由(2)
トップが明かす超活況の理由(1)
アナリストに聞く
»»第1章 半導体 |「根拠ある」熱狂
ビッグデータ、EVシフトで需要爆発
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内