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圧力強める物言う株主 個人投資家に「漁夫の利」

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目立ち始めた物言う株主による株主提案の動き。その動きは個人投資家にも無縁ではない。

イラスト:熊野友紀子

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大幅増配や経営改革を求める「物言う株主」の声は、短期的な株価急伸の材料になるだけでなく、株式の投資価値を高める可能性もある。その観点でいま最も注目されているのは、独立系投資会社スパークス・アセット・マネジメントが今年1月に公にした帝国繊維に対する株主提案だろう。

帝国繊維は東証1部上場の防災用品会社。スパークスが投資先に選定した理由は、本業の堅実な成長性にあった。消防用ホースを軸に除染用の防護服、危険物探知機などにも手を広げ、業績は右肩上がりで推移してきた。スパークスは何に不満を抱いたのか。服部英明執行役員は内部留保の「貯め込みすぎ」を指摘する。

同社が10年前と直近のバランスシートを比較したところ、帝国繊維は利益剰余金の増加分をほぼ現預金や有価証券として蓄積。しかも本業とのシナジーが薄い中堅不動産ヒューリックとの持ち合い株式と現預金が合計400億円を超える。総資産が600億円前後にもかかわらず「金融資産が過大」(服部氏)で、本業で利益を上げても使うあてのない現預金が増え続けるため、資本効率は低下する一方だという。

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