EV化で他素材の攻勢を受ける鉄鋼大手。自動車会社との信頼関係にも揺らぎが。
現在、自動車の車体を構成する素材の約7割は鉄鋼が占めている。だが、2030年にはその構成比が4割強まで縮小するとの予測がある。燃費規制強化に伴うEV(電気自動車)シフトと車体軽量化の中で、比重の低いアルミニウム合金や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などへの代替が進むためだ。日本の鉄鋼業界はこの逆風にどう立ち向かっていくのか。
長年の実績を基に「鉄を極める」
「地球環境問題を考えれば、走行時のCO2排出ゼロのEVや燃料電池車が重みを増すのは自然な流れ。われわれもしっかり準備していく」と、JFEスチールの西村恵次・薄板セクター部自動車ユニットリーダーは話す。
EV化でエンジンがなくなると、クランクシャフトなどエンジン系の特殊鋼の需要が消える。エキゾーストマニホールドやマフラーなど排気系のステンレス鋼も必要なくなる。
ただ、EV化は短期で進むわけではない。20年以降もエンジン併用のハイブリッド車(HV)は当面増加が続き、世界の自動車販売のパイも増える見込み。「マイナスの影響に危機感はあるが、それなりに時間はかかる」(西村氏)。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら